ビニール加工・ビニール製品・高周波ウェルダー加工の【オガワ産業株式会社】
高周波を利用した加工技術の中でも、弊社設備にある「高周波ウェルダー加工機」は、当初主に”軟質塩化ビニール(PVC)”を溶着・溶断する為の加工機械として生まれました。 高周波ウェルダー独特の発熱原理により、塩化ビニール以外の素材にも応用されており、発想と工夫次第で、様々な製品を生み出す可能性を秘めています。
高周波ウェルダー加工とは、高周波ウェルダーと呼ばれる機器を用いた熱処理加工です。主に対象素材の溶着や溶断に用いられ、当社業務の柱となる加工技術です。 熱溶着とは、熱によって素材同士が溶け合い、それが冷めて再び凝固する事で一体となる状態ですが、高周波ウェルダーでは、 この熱の加え方に特徴があります。 通常、何らかの物体を加熱する場合、最も単純な方法はヒーター等の熱源に触れさせたり、 金属の溶接であれば、ガスの炎を用いたりしますが、 いずれもこれは素材に対して外部熱源からの熱伝導による加熱です。
対して高周波ウェルダー加工では、ある意味では熱源は存在せず、高周波発振の短い時間の間だけ、高周波によって素材自体の分子を激しく振動させ、 その分子運動による発熱を利用します。つまり溶着したい素材その物が熱源となります。分子を振動させるという意味では電子レンジとよく似た原理です。
例えるならば、後者の高周波ウェルダー加工を電子レンジ(内部発熱)とすれば、前者はオーブン(外部加熱)といったところでしょうか。
この様に、高周波ウェルダー加工では原則的に直接外部熱源を使用しない為、短時間に安定した品質の溶着加工を施す事ができ、 また、その他の箇所への不必要な熱の影響も最小限に抑える事が出来ます。火力を使用しない為、環境面や作業者の安全・健康面でも優れた加工技術と言えます。
直径約3.3mのターンテーブルを4ステーションが囲む大型機。大きさを活かした丁取りにより、高い生産能力を誇ります。
標準的でシンプルな機械ですが、それが故にアイディアと腕次第で様々な製品を生み出す事が出来ます。単純作業から難しい加工まで幅広く活躍する無くてはならない存在です。
高周波ウェルダー加工は、例えば透明の袋やポーチ、バッグやカードケース、ファイルやバインダー、ブックカバーなど、普段の生活の中や、 皆さんの身の回りの日用雑貨品などに活用されています。
これらの製品は、もちろん高周波ウェルダーの持つ加工特徴が活かされた上で作られていますが、極論すると高周波ウェルダーでなくとも同じ機能を持つ製品を作る事が出来ます。 例えば縫製加工も同じ”シートや生地を繋ぐ”という点では高周波ウェルダーよりも遥かに高い汎用性を持ち、大変優れた技術です。
一方で、プラスチックフィルムやシート加工の中でも、高周波ウェルダー加工も含めた熱処理加工の最大の特徴である「溶着=素材同士が直接融合する」という点に注目すると、 また別の特徴が見えてきます。
柔軟性や透過性、防水・気密性、ラミネートやコーティング素材への応用、その他特徴的で様々な素材を「縫い目・縫い代無く、気密性・防水性を損なわず、丈夫に」作れるとしたらどうでしょう。また金型を使った加工であれば「個体差が少なく安定した製品」であり、更にそれが工夫次第で「早く大量に」作れるとしたらどうでしょうか。そこには様々な可能性が見えてきます。それは用途であり、機能であり、性質であり、果ては製品そのものです。
高周波ウェルダーと、塩化ビニールを始めとするフィルム・シート達とが組み合わさる事により、今まで無かった”何か”が生まれる可能性があります。
高周波ウェルダー加工によく用いられる素材のご紹介です。 当社では、素材の加工・溶着の可否判断をする為の試験溶着も承っております。 まずはお気軽にご相談下さい。
・PVC(塩化ビニール)
・TPU(熱可塑性ポリウレタン)
・POF(ポリオレフィン)
・EVA(エチレン・酢酸ビニール共重合体)
・EMMA(エチレン・メタクリル酸メチル共重合体)
・PET(ポリエチレンテレフタレート)
・合成皮革(塩ビレザー)
・綿布×塩ビ
同じ種類の生地や素材を使用しても、生地の厚みや色、生地の持つ特性により、製造工程や金型の製作方法・刃の調整方法が異なる場合があります。 また溶着部位の仕上りも、生地それぞれの持つ特性に左右される場合があります。
一見、加工や製作・製造が難しい様な素材や仕様の場合でも、何かしらの工夫で解決出来る場合もあります。また残念ながらその逆もあります。 当社では試験溶着も承っておりますので、素材の加工・溶着可否が不明な場合や、その他何らかの疑問や懸念がありましたらお気軽にご相談下さい。
高周波ウェルダーの原理上、高周波ウェルダー加工に用いる事が出来る素材は、ある程度限られてしまいます。 また、塩化ビニールと綿布の溶着では、 塩ビが綿に含浸しなければならない為、原則的に綿100%である事が必要です。
カードケース、名刺入れ、CDケース、ファイル、バインダー、ブックカバー、天チャック袋、ポーチ、バック、ワッペン、箱、エアーポップ、垂れ幕、 浮き輪、ライフジャケット、テント、間仕切りカーテン、携帯ストラップ、携帯灰皿、展示・店頭陳列用パッケージ(PETGプリスター)、etc…
その他にも色々な製品を製作できます。